2010年 05月 17日
気管を潤す杯細胞 |
気管の粘膜上皮は、線毛細胞と杯細胞からなる多裂円柱上皮です。
線毛細胞については勉強したので今回は杯細胞。
杯細胞は小腸、大腸、気管支、結膜などの上皮に散在する細胞で、粘液を分泌して粘膜表面を潤し、機械的な摩擦や化学的な侵襲から組織を守っています
大腸には杯細胞が特に多く、粘膜全体が杯細胞の集合した線ともいえます。
日常の便通をなめらかにしてくれているのもこの杯細胞です。
この「さかずき」とは酒をつぐ「おちょこ」ではありません。
Becherzelleの名を作ったドイツの組織学者たちのイメージとして、Becher(英語ではgoblet)は、上がふくらみ細い柄がつき、下がもう一度ひろがって台になっているワイングラスです。
W・バルクマンはその組織学教科書に、さらにこんな事を書いて悦びに入っています。
上部のふくらみが円柱状にのびている杯細胞は、むしろビアグラスに似ており、上端からこぼれる粘液の姿は、まさにブルーメ(花=ビールの泡)であると。
小腸の杯細胞の透過電顕写真 ×4200(岩永敏彦先生)
組織学の勉強は主に牛木辰男先生の本を参考にさせてもらっています
「入門組織学 南江堂 牛木辰男著」の自序には、先生自ら描かれた手書きの図を標本像として記載することに対して、このように書かれていました。
実際に光学顕微鏡の標本を観察する際に、私たちは顕微鏡の微動つまみを動かしながら、異なる焦点で得られた像を頭の中で再構成しています。そのため一枚の写真では、適切な情報が得られないことも多い。さらに限られた紙面の中で効率よく作者の意図を伝えるためには、作者の目と手を通して再構成された図が最も適切であると思うのである。
身体を触察して、その患者さんの骨格を頭の中で再構成する作業を行うことと同じように思われます。
解剖学の教科書を見ながら筋骨格を描く作業をして触察の勉強をしていましたが、触察で気をつけている部分は細かく描くようになります
これも意図を伝えるための行為なのでしょうか。
また久しぶりに書いてようかな。
にしむら治療院 はり・きゅう・カイロプラクティック
線毛細胞については勉強したので今回は杯細胞。
杯細胞は小腸、大腸、気管支、結膜などの上皮に散在する細胞で、粘液を分泌して粘膜表面を潤し、機械的な摩擦や化学的な侵襲から組織を守っています
大腸には杯細胞が特に多く、粘膜全体が杯細胞の集合した線ともいえます。
日常の便通をなめらかにしてくれているのもこの杯細胞です。
この「さかずき」とは酒をつぐ「おちょこ」ではありません。
Becherzelleの名を作ったドイツの組織学者たちのイメージとして、Becher(英語ではgoblet)は、上がふくらみ細い柄がつき、下がもう一度ひろがって台になっているワイングラスです。
W・バルクマンはその組織学教科書に、さらにこんな事を書いて悦びに入っています。
上部のふくらみが円柱状にのびている杯細胞は、むしろビアグラスに似ており、上端からこぼれる粘液の姿は、まさにブルーメ(花=ビールの泡)であると。
小腸の杯細胞の透過電顕写真 ×4200(岩永敏彦先生)
組織学の勉強は主に牛木辰男先生の本を参考にさせてもらっています
「入門組織学 南江堂 牛木辰男著」の自序には、先生自ら描かれた手書きの図を標本像として記載することに対して、このように書かれていました。
実際に光学顕微鏡の標本を観察する際に、私たちは顕微鏡の微動つまみを動かしながら、異なる焦点で得られた像を頭の中で再構成しています。そのため一枚の写真では、適切な情報が得られないことも多い。さらに限られた紙面の中で効率よく作者の意図を伝えるためには、作者の目と手を通して再構成された図が最も適切であると思うのである。
身体を触察して、その患者さんの骨格を頭の中で再構成する作業を行うことと同じように思われます。
解剖学の教科書を見ながら筋骨格を描く作業をして触察の勉強をしていましたが、触察で気をつけている部分は細かく描くようになります
これも意図を伝えるための行為なのでしょうか。
また久しぶりに書いてようかな。
にしむら治療院 はり・きゅう・カイロプラクティック
by kosuke-n
| 2010-05-17 23:34
| 分子・細胞生物学