2014年 06月 06日
頭の中の通勤経路 |
先日から、パラリンピック金メダリストでもある葭原滋男さんと共に行動させて頂いています。
葭原さんは視覚障害となったあと、アトランタパラリンピックで走り高跳びで銅メダル、シドニーパラリンピックではタンデムという自転車競技で世界新記録で金メダルと銀メダル、アテネパラリンピックで銀メダルとものすごい方です。
現在はブラインドサッカーを東京都の乃木坂で行っています。
皆さんもぜひ一度ブラインドサッカーを経験してみてはいかがでしょうか。
私自身、葭原さんにブラインドサッカーを体験させてもらいました。
ブラインドサッカー 乃木坂ナイツ
ブラインドサッカー 松戸ウォーリヤーズ
葭原さんが昔に書かれた「頭の中の通勤経路」について先日お話を聞かさせて頂き、さらに伴走してもらいながら、どのように道路の状態を読み取るか体験もさせて頂きました。
いつもありがとうございます。
風の流れの変化を感じ、道路が開けた事や、交差点で道路の進行方向を感じ取ること
常に存在する障害物、例えばゴミ箱や看板など、道を遮るものが、常に同じ場所に存在していればそれが頭の中の地図構成の手がかりとなる事
ビルとビルの隙間からみえる空、コントラストの明るい部分として感じる空が遠くのびる道を指し示してくれる。
道路の下を走る地下鉄の振動が今、自分が存在している通りがどこなのかを教えてくれる。
人が道路を渡る足音、人の流れがエスカレーターの進行方向を教えてくれる・・・などなど。
恐らく目が見えている人も何気なく感じている事を、はっきりとした手がかりとして地図を構成している事を教えて頂きました。
きれいで開けた道、何も物が置いていない道はもしかしたら視覚に問題のある方々にとっては現在地を指し示す手がかりを得る事が難しくなるかもしれません。
実は無駄、そして邪魔の様に思われていた役に立たない物は、もしかすると空間の目印となっているかもしれません。
高層ビルが多く並ぶ都心、空が閉ざされ、明暗のコントラストを空と建造物から得られなければ、より広い空間を認識する事が難しくなるかもしれません。
通勤者の混雑の為に、朝と昼までエスカレーターの進行方向が変わるところでは、地図の構成の妨げになるかもしれません。
こんな風に葭原さんのお話を聞かせて頂いて感じました。
一件無駄と思われる壁の凹凸は、より正確な自分の位置を知らせてくれるという話はとても印象的でした。
「人は環境から意味を与えられる」
知覚心理学者のギブソンが提唱した「アフォーダンス」という概念を思い出します。
私自身このアフォーダンスという概念は生態光学、つまり光が人間に与える知覚について、特にオプティカルフローで学んだことでしたが、この建造物や物が、人の空間定位について手がかり・意味をアフォードしていることを、葭原さんの話から実際に体験する事ができました。
目をつぶって、または深夜に目が覚めてまだ目が見えない状態で、トイレに向かう時人は、壁を伝ったり、恐らくそこにあるだろうテーブルやドアの一部に触れるよう努力する事があると思います。
これはまさに環境が人に空間定位を提示する(アフォードしている)結果です。
物の意味とはその人の状態によっても意味の重要性は変化するのでしょう。
立ち上がるとき、テーブルは「身体を支えるもの」として意味を持ち、目が見えない状態では「自分の位置を指し示すもの」として意味を持ちます。
これは本来のギブソンのアフォーダンスとはやや異なる意味となってしまいますが、物が持つ意味・価値というのを人に与えるという大きな概念では同じではないかなと感じました。
国立競技場が新しく生まれ変わろうとする様に、東京オリンピックのために東京都の建造物が変化しようとしています。
これから土地開発されていく地域が、ある一部の人では非常に厄介なものとして変わらないことを祈ります。
しかしそんな時に非常に役に立つのが「人の声」「人の手」です。
柱や壁が視覚が弱い方に取って支えとして意味をもつ様に、人の声や人の手が障がいを持つ人の光・目として意味を持つことができます。
そして触れることは、同時に触れられることで、能動と受動の関係性がありません。
支えてあげる手が、支えられている手となる事を感じる事ができるのではないでしょうか。
ブラインドサッカーをされている方、それを支える方達を接しているとそのように感じます。
皆さんもぜひ参加されてみてはいかがでしょうか。
この場を借りて、いつもお世話にっているブラサカの方々にお礼を申し上げたいと思います。
ありがとうございます。
ブラインドサッカーホームページ
先日葭原さんが出演された港区のテレビの動画
「心のバリアフリー」
ケーブルテレビ(JCNみなと新宿チャンネル・11ch)で、今月1ケ月間放送されます。
放送時間は、7時30分 14時30分 19時30分 22時00分。
上記サイトからYouTubeでも視聴可能です。
よかったら見てみてください。
苦悩を抱える患者様・そして支える医療者の手助けに慣れれば幸いです。
痛くない治療・安全な治療
にしむら治療院 はり・きゅう カイロプラクティック
葭原さんは視覚障害となったあと、アトランタパラリンピックで走り高跳びで銅メダル、シドニーパラリンピックではタンデムという自転車競技で世界新記録で金メダルと銀メダル、アテネパラリンピックで銀メダルとものすごい方です。
現在はブラインドサッカーを東京都の乃木坂で行っています。
皆さんもぜひ一度ブラインドサッカーを経験してみてはいかがでしょうか。
私自身、葭原さんにブラインドサッカーを体験させてもらいました。
ブラインドサッカー 乃木坂ナイツ
ブラインドサッカー 松戸ウォーリヤーズ
葭原さんが昔に書かれた「頭の中の通勤経路」について先日お話を聞かさせて頂き、さらに伴走してもらいながら、どのように道路の状態を読み取るか体験もさせて頂きました。
いつもありがとうございます。
風の流れの変化を感じ、道路が開けた事や、交差点で道路の進行方向を感じ取ること
常に存在する障害物、例えばゴミ箱や看板など、道を遮るものが、常に同じ場所に存在していればそれが頭の中の地図構成の手がかりとなる事
ビルとビルの隙間からみえる空、コントラストの明るい部分として感じる空が遠くのびる道を指し示してくれる。
道路の下を走る地下鉄の振動が今、自分が存在している通りがどこなのかを教えてくれる。
人が道路を渡る足音、人の流れがエスカレーターの進行方向を教えてくれる・・・などなど。
恐らく目が見えている人も何気なく感じている事を、はっきりとした手がかりとして地図を構成している事を教えて頂きました。
きれいで開けた道、何も物が置いていない道はもしかしたら視覚に問題のある方々にとっては現在地を指し示す手がかりを得る事が難しくなるかもしれません。
実は無駄、そして邪魔の様に思われていた役に立たない物は、もしかすると空間の目印となっているかもしれません。
高層ビルが多く並ぶ都心、空が閉ざされ、明暗のコントラストを空と建造物から得られなければ、より広い空間を認識する事が難しくなるかもしれません。
通勤者の混雑の為に、朝と昼までエスカレーターの進行方向が変わるところでは、地図の構成の妨げになるかもしれません。
こんな風に葭原さんのお話を聞かせて頂いて感じました。
一件無駄と思われる壁の凹凸は、より正確な自分の位置を知らせてくれるという話はとても印象的でした。
「人は環境から意味を与えられる」
知覚心理学者のギブソンが提唱した「アフォーダンス」という概念を思い出します。
私自身このアフォーダンスという概念は生態光学、つまり光が人間に与える知覚について、特にオプティカルフローで学んだことでしたが、この建造物や物が、人の空間定位について手がかり・意味をアフォードしていることを、葭原さんの話から実際に体験する事ができました。
目をつぶって、または深夜に目が覚めてまだ目が見えない状態で、トイレに向かう時人は、壁を伝ったり、恐らくそこにあるだろうテーブルやドアの一部に触れるよう努力する事があると思います。
これはまさに環境が人に空間定位を提示する(アフォードしている)結果です。
物の意味とはその人の状態によっても意味の重要性は変化するのでしょう。
立ち上がるとき、テーブルは「身体を支えるもの」として意味を持ち、目が見えない状態では「自分の位置を指し示すもの」として意味を持ちます。
これは本来のギブソンのアフォーダンスとはやや異なる意味となってしまいますが、物が持つ意味・価値というのを人に与えるという大きな概念では同じではないかなと感じました。
国立競技場が新しく生まれ変わろうとする様に、東京オリンピックのために東京都の建造物が変化しようとしています。
これから土地開発されていく地域が、ある一部の人では非常に厄介なものとして変わらないことを祈ります。
しかしそんな時に非常に役に立つのが「人の声」「人の手」です。
柱や壁が視覚が弱い方に取って支えとして意味をもつ様に、人の声や人の手が障がいを持つ人の光・目として意味を持つことができます。
そして触れることは、同時に触れられることで、能動と受動の関係性がありません。
支えてあげる手が、支えられている手となる事を感じる事ができるのではないでしょうか。
ブラインドサッカーをされている方、それを支える方達を接しているとそのように感じます。
皆さんもぜひ参加されてみてはいかがでしょうか。
この場を借りて、いつもお世話にっているブラサカの方々にお礼を申し上げたいと思います。
ありがとうございます。
ブラインドサッカーホームページ
先日葭原さんが出演された港区のテレビの動画
「心のバリアフリー」
ケーブルテレビ(JCNみなと新宿チャンネル・11ch)で、今月1ケ月間放送されます。
放送時間は、7時30分 14時30分 19時30分 22時00分。
上記サイトからYouTubeでも視聴可能です。
よかったら見てみてください。
苦悩を抱える患者様・そして支える医療者の手助けに慣れれば幸いです。
痛くない治療・安全な治療
にしむら治療院 はり・きゅう カイロプラクティック
by kosuke-n
| 2014-06-06 17:29