2015年 11月 18日
問診 患者さんの気づき 言語学 |
自由連想ゲームというのをご存知でしょうか。
フロイトが精神分析と治療に用いた事でも知られています。
ある言葉を与えられた時に、心に浮かぶままの自由な考えを連想していく。
言葉の関連を分析し、潜在意識を顕在化する事によって心理的抑圧を解明する方法として知られています。
例えば、「暑い」からスタートすると
暑い→ 夏 → 海 → 山 → 富士山 → 世界遺産 → 松蔭 → 萩
言葉というのは脳の中で、
・ある単語とある単語は内容が近い
・ある単語とある単語は意味が結びついている
という風にグループ化、カテゴリー化、連合されています。
連想ゲームというのは人間が自由に発想しているような気がしますが、その人がどういう言語を使っているかによって縛られていることがわかっています。
思考が束縛を受けているということです。
先ほどの例でも、私が山口県にゆかりがある人間であることが予想できますよね。これが言語の縛りの一例です。
チョムスキーは「言葉を知れば、その国や社会の構造体系を知ることができる」とまで述べています。
今回のテーマの『問診』と何が関係があるかというと、
患者さん自身が気づかない関連性に、我々医療従事者は気づいてあげなければならない問題が存在するということです。
私の分野で多いのは、過去のケガ。
力学的な問題です
数ヶ月前にケガをした問題が、少しずつ全身へと負荷を波及して、腰痛や肩こり、手の痺れへを起こした例というのは多数あります。
先日の症例で言えば、足の痛みと全体評価で記載したのがその一つです。
他の例は、神経系の末梢支配の問題です。
手の痺れは頸椎や手に至る神経の通り道に問題を抱えている場合が多く、足の痺れや痛み・機能障害も含めた症状は、腰や股関節・膝・足首の問題と関連していることも多いのです。
足底腱膜炎やアキレス腱炎でも起こりえることです。
腱鞘炎も実はありえるのです。
患者さんの手の痛みが、慢性的に抱えている腰痛と二次的に関連していることも多いので、問診時に、今回診てもらいたい症状だけでなく、他に抱えている問題も述べてもらう必要があります。
これらは一般的にオープンクエッションといわれる問診の仕方では、本人が関連性に気づいていない場合、述べることはできません。
クローズドな質問、探索的な問診も重要なため、ただ聞き役に徹するだけでは問題解決まで到達することは不可能です。
こういった問診を経たあとの治療では患者さんから「そう言えばこういうことがあった」と気づきが生まれることが多く、問題解決のキッカケになることをたくさん経験しています。
質問力についてディベートで学ぶことができます
以前に記載した問診とディベートについてはこちら
最後に言語表現と身体と精神について考えてみます。
言葉の表現はその人の背景に影響を受けることが理解してもらえたと思います。
つまり患者さんがどのように症状と向き合ってきたか、というのも言葉に影響が出ています。
そして自分の状態に気づき前に向かい始めた時の変化も言葉で感じることができます。
体の不調を訴えて来院される時の言葉の表現と、
その不調の原因に気づき、不調を克服して改善し、前へと突き進もうとしているときの言葉の表現とでは異なります。
身体の変化は、その人の表現を変化させ、精神状態もよりパワフルなものへと強くすることができます。
身体は「器」であると認識されがちです。
器なのかもしれませんが、精神・心という概念的なものを実存するものへと表す大切な器官それが「身体」です。
心配や不安・後悔という未来や過去に囚われないためにも、「いまここに存在している」自分の身体と向き合う必要があるのではないでしょうか。
前向きになれない方は体の問題を多く抱えてはいませんか?
不調を抱えている患者様に少しでも安心を与えることができましたら幸いです。
にしむら治療院 西村 公典
東京都港区芝5-27-5山田ビル503
03-6435-2437 nishimura@hari.space
にしむら治療院ホームページ
フロイトが精神分析と治療に用いた事でも知られています。
ある言葉を与えられた時に、心に浮かぶままの自由な考えを連想していく。
言葉の関連を分析し、潜在意識を顕在化する事によって心理的抑圧を解明する方法として知られています。
例えば、「暑い」からスタートすると
暑い→ 夏 → 海 → 山 → 富士山 → 世界遺産 → 松蔭 → 萩
言葉というのは脳の中で、
・ある単語とある単語は内容が近い
・ある単語とある単語は意味が結びついている
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連想ゲームというのは人間が自由に発想しているような気がしますが、その人がどういう言語を使っているかによって縛られていることがわかっています。
思考が束縛を受けているということです。
先ほどの例でも、私が山口県にゆかりがある人間であることが予想できますよね。これが言語の縛りの一例です。
ノーム・チョムスキー
岩波書店
売り上げランキング: 41,911
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チョムスキーは「言葉を知れば、その国や社会の構造体系を知ることができる」とまで述べています。
今回のテーマの『問診』と何が関係があるかというと、
患者さん自身が気づかない関連性に、我々医療従事者は気づいてあげなければならない問題が存在するということです。
私の分野で多いのは、過去のケガ。
力学的な問題です
数ヶ月前にケガをした問題が、少しずつ全身へと負荷を波及して、腰痛や肩こり、手の痺れへを起こした例というのは多数あります。
先日の症例で言えば、足の痛みと全体評価で記載したのがその一つです。
他の例は、神経系の末梢支配の問題です。
手の痺れは頸椎や手に至る神経の通り道に問題を抱えている場合が多く、足の痺れや痛み・機能障害も含めた症状は、腰や股関節・膝・足首の問題と関連していることも多いのです。
足底腱膜炎やアキレス腱炎でも起こりえることです。
腱鞘炎も実はありえるのです。
患者さんの手の痛みが、慢性的に抱えている腰痛と二次的に関連していることも多いので、問診時に、今回診てもらいたい症状だけでなく、他に抱えている問題も述べてもらう必要があります。
これらは一般的にオープンクエッションといわれる問診の仕方では、本人が関連性に気づいていない場合、述べることはできません。
クローズドな質問、探索的な問診も重要なため、ただ聞き役に徹するだけでは問題解決まで到達することは不可能です。
こういった問診を経たあとの治療では患者さんから「そう言えばこういうことがあった」と気づきが生まれることが多く、問題解決のキッカケになることをたくさん経験しています。
質問力についてディベートで学ぶことができます
以前に記載した問診とディベートについてはこちら
最後に言語表現と身体と精神について考えてみます。
言葉の表現はその人の背景に影響を受けることが理解してもらえたと思います。
つまり患者さんがどのように症状と向き合ってきたか、というのも言葉に影響が出ています。
そして自分の状態に気づき前に向かい始めた時の変化も言葉で感じることができます。
体の不調を訴えて来院される時の言葉の表現と、
その不調の原因に気づき、不調を克服して改善し、前へと突き進もうとしているときの言葉の表現とでは異なります。
身体の変化は、その人の表現を変化させ、精神状態もよりパワフルなものへと強くすることができます。
身体は「器」であると認識されがちです。
器なのかもしれませんが、精神・心という概念的なものを実存するものへと表す大切な器官それが「身体」です。
心配や不安・後悔という未来や過去に囚われないためにも、「いまここに存在している」自分の身体と向き合う必要があるのではないでしょうか。
前向きになれない方は体の問題を多く抱えてはいませんか?
不調を抱えている患者様に少しでも安心を与えることができましたら幸いです。
にしむら治療院 西村 公典
東京都港区芝5-27-5山田ビル503
03-6435-2437 nishimura@hari.space
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by kosuke-n
| 2015-11-18 18:18
| 哲学