2015年 06月 09日
アブダクション 仮説と発見の論理 |
いろんな治療法を試されてきたけど治らなかった患者さんが、急に良い変化が出てくることがあります。
ここが患者さんが抱えている痛みの原因ではないか、と「直感」と呼ばれるようなものでひも解くことができたりします。
1:「今回の腰の痛みと座骨神経痛は昔の足首の捻挫からだったんだ!」
2:「右横向きで体が楽で、それ以外だとめまいがでる。右横向きで長い手術中、麻酔による昏睡化にいたことがめまいの原因だったのかもしれないですね」
3:「左に回るとめまいがするのは、左腕を骨折してずっと三角巾で固定していたからだったんだ!」
これは今までにあった経験です。
しかし、この治療結果が得られたのは「直感」なのでしょうか。
今日は、「診断学」として非常に重要であると私が感じている「仮説形成」について考えてみます。
私が得てきたこれまでの患者さんの治療を通した経験は、直感というよりはとてもロジカルであると感じています。
1の腰痛の例であれば、
足首の大きな捻挫を抱えている方は、それ相応のバランスを取り、なにか大きな負荷がかかるような状態に置かれると、それをかばうような体勢を、身体は戦略的に自動的にとります。
結果腰痛が起こることは自然の流れで不思議に思うことはありません。
2の手術における例であれば、
同じ体勢で寝続けることで、寝違いや腰痛になることはあります。
それが眼球運動に影響をきたすことも考えうると思います。
その患者さんは眼の眼球運動の麻痺で大変苦しんで来た方でしたが、治療を始めて一ヶ月で改善し、三ヶ月でほぼ完治しました。
3のめまいでは、
左腕を体幹と固定し続けていれば、左側の半身は動きにくくなります。
それが長く続けば、左側の動かない部分と右側の動く部分の差が大きくなり、ふらつくことは予想できます。
つまり、直感というのは、「連続的なプロセスからなる」ということです。
そして、その答え・直感は患者さんの体にちゃんと記されている、そう感じています。
アメリカの論理学者のチャールズ・パースはこのことを述べています。
「非仲介的な直観などありえない」
「先行するいかなる認識とも関係なく、また記号からの推論とも関係なく、認知についてたんに考えるだけでも、その認知が先行の認知より限定されたか、その対象を直接参照しているかを、われわれは正しく判断できる」
「(いかなる経験も)瞬間的な事柄ではなく、時間を要する事象であって、ひとつの連続的なプロセスとして生じている」
奇跡のような変化が出ることもあり、その方々は本当に喜んで頂いています。
しかし、なかなか良い結果が出ず、それでも当院へ通い続けている患者様もいます。
少しでも変化が出るためのキッカケを模索し続けることが我々治療家の使命だと感じています。
患者様を支える医療従事者にとってよい情報となれば幸いです。
にしむら治療院 西村 公典
ここが患者さんが抱えている痛みの原因ではないか、と「直感」と呼ばれるようなものでひも解くことができたりします。
1:「今回の腰の痛みと座骨神経痛は昔の足首の捻挫からだったんだ!」
2:「右横向きで体が楽で、それ以外だとめまいがでる。右横向きで長い手術中、麻酔による昏睡化にいたことがめまいの原因だったのかもしれないですね」
3:「左に回るとめまいがするのは、左腕を骨折してずっと三角巾で固定していたからだったんだ!」
これは今までにあった経験です。
しかし、この治療結果が得られたのは「直感」なのでしょうか。
今日は、「診断学」として非常に重要であると私が感じている「仮説形成」について考えてみます。
私が得てきたこれまでの患者さんの治療を通した経験は、直感というよりはとてもロジカルであると感じています。
1の腰痛の例であれば、
足首の大きな捻挫を抱えている方は、それ相応のバランスを取り、なにか大きな負荷がかかるような状態に置かれると、それをかばうような体勢を、身体は戦略的に自動的にとります。
結果腰痛が起こることは自然の流れで不思議に思うことはありません。
2の手術における例であれば、
同じ体勢で寝続けることで、寝違いや腰痛になることはあります。
それが眼球運動に影響をきたすことも考えうると思います。
その患者さんは眼の眼球運動の麻痺で大変苦しんで来た方でしたが、治療を始めて一ヶ月で改善し、三ヶ月でほぼ完治しました。
3のめまいでは、
左腕を体幹と固定し続けていれば、左側の半身は動きにくくなります。
それが長く続けば、左側の動かない部分と右側の動く部分の差が大きくなり、ふらつくことは予想できます。
つまり、直感というのは、「連続的なプロセスからなる」ということです。
そして、その答え・直感は患者さんの体にちゃんと記されている、そう感じています。
アメリカの論理学者のチャールズ・パースはこのことを述べています。
「非仲介的な直観などありえない」
「先行するいかなる認識とも関係なく、また記号からの推論とも関係なく、認知についてたんに考えるだけでも、その認知が先行の認知より限定されたか、その対象を直接参照しているかを、われわれは正しく判断できる」
「(いかなる経験も)瞬間的な事柄ではなく、時間を要する事象であって、ひとつの連続的なプロセスとして生じている」
奇跡のような変化が出ることもあり、その方々は本当に喜んで頂いています。
しかし、なかなか良い結果が出ず、それでも当院へ通い続けている患者様もいます。
少しでも変化が出るためのキッカケを模索し続けることが我々治療家の使命だと感じています。
患者様を支える医療従事者にとってよい情報となれば幸いです。
にしむら治療院 西村 公典
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by kosuke-n
| 2015-06-09 11:14
| 哲学