2010年 04月 01日
機能の自分と今日の自分は同じか |
テレビで骨粗鬆症についてやっていた。閉経後の女性はホルモンの影響で骨密度が低下しやすい。なぜ骨密度は低下するのか。
骨も他の組織同様に新陳代謝している。骨組織の代謝は,大きく2 種類に分類される細胞群によって担われている.骨組織を形成するのは骨芽細胞で,未分化間葉系細胞から分化した細胞である.一方,骨組織を破壊するのは破骨細胞と呼ばれる細胞で,血中のマクロファージに由来すると考えられている。約2年半くらいですべての骨組織は新しい骨組織へと入れ替わっている、と何かの本で読んだことがある。この新陳代謝のバランスがくずれ、骨組織の破壊が進むか、骨組織の形成が遅くなることによって骨密度は低下する。2年半経つと、自分の骨は別の骨になっているのだ。
また生体を構成している分子も分解され、食物として摂取した分子と置き換えられている。それも高速で。身体のあらゆる組織や細胞の中身はこうして常に作り替えられ、更新され続けている。
だから私たちの身体は分子的な実体としては、数ヶ月前の自分とは全く別物になっている。生命は行く川のごとく流れの中にある。
では以前の自分と今日の自分が同じであるとなぜ認識できるのか。ミクロな世界では別のものなのに・・・。
自分が今ここにいて、自分は昔から一貫した時間の中で、一人の人間として連続して成長してきた存在である、というのは、そう強く信じているだけのことであって、そこには何の保証もない。これを保証してくれる唯一のよりどころは、「記憶」である。記憶が未来のための情報保管というのは自明として、もう一つの大切な役割は、<自分>という自我を存在させることである。
骨も他の組織同様に新陳代謝している。骨組織の代謝は,大きく2 種類に分類される細胞群によって担われている.骨組織を形成するのは骨芽細胞で,未分化間葉系細胞から分化した細胞である.一方,骨組織を破壊するのは破骨細胞と呼ばれる細胞で,血中のマクロファージに由来すると考えられている。約2年半くらいですべての骨組織は新しい骨組織へと入れ替わっている、と何かの本で読んだことがある。この新陳代謝のバランスがくずれ、骨組織の破壊が進むか、骨組織の形成が遅くなることによって骨密度は低下する。2年半経つと、自分の骨は別の骨になっているのだ。
また生体を構成している分子も分解され、食物として摂取した分子と置き換えられている。それも高速で。身体のあらゆる組織や細胞の中身はこうして常に作り替えられ、更新され続けている。
だから私たちの身体は分子的な実体としては、数ヶ月前の自分とは全く別物になっている。生命は行く川のごとく流れの中にある。
では以前の自分と今日の自分が同じであるとなぜ認識できるのか。ミクロな世界では別のものなのに・・・。
自分が今ここにいて、自分は昔から一貫した時間の中で、一人の人間として連続して成長してきた存在である、というのは、そう強く信じているだけのことであって、そこには何の保証もない。これを保証してくれる唯一のよりどころは、「記憶」である。記憶が未来のための情報保管というのは自明として、もう一つの大切な役割は、<自分>という自我を存在させることである。
by kosuke-n
| 2010-04-01 01:34
| 分子・細胞生物学