2010年 04月 03日
消化の生物学的意義 |
四月に入り、友人たちは新しい一歩を踏み出している。
共に学んだ学生生活が懐かしい。
学生時代にちょこっと勉強したアレルギー。
愛読している福岡伸一先生の本にアレルギーについて書かれた部分があった。
養老猛司先生の本にも同じ様なことが書かれていたので、引用させていただこうと思う。
まずは消化の生物学的意義について
食物としてのタンパク質は、その起源が牛や豚、鳥などの動物性タンパク質であるにせよ、大豆や小麦に含まれている植物性タンパクであるにせよ、それがもともと他の生物の一部であったことに変わりはない。そして、それらのタンパク質はその生物体内で個々に特有の機能を持っていた。タンパク質の機能は、アミノ酸配列によって決定される。つまり、アミノ酸配列は情報を担っている。しかし、他の生物のタンパク質情報は、捕食者にとってはノイズとして、自らの情報系に不必要な影響をもたらす。したがって、消化とは、食べ物を吸収しやすくするため細かくする、という機械的な作用よりも、もとの生物が持っていたタンパク質の情報をいったん解体して、自分の体内で自分に適合した形で情報を再構成するための出発点を作る、という重要な意味を持っているわけである。これが消化の生物学的意義である。
動物の消化システムは、非常に他種類の消化酵素を用意している。特にタンパク質の構造には最も多くの情報が含まれるので、これを速やかに解体するために、特異性の異なる消化酵素、つまり違う攻撃部位を持つタンパク質分解酵素が準備されている。
トリプシンは、リジンやアルギニンといった+電化を持ったアミノ酸を攻撃して分解の端緒を切る。キモトリプシンやエラスターゼといった酵素はタンパク分子の別の部位を切断する。ペプチダーゼと呼ばれる酵素は、切断された場所にとりついてアミノ酸を順番に切り取っていく。アミノ酸は消化管の細胞の特別な輸送システムによって吸収される。この時はじめて分子としての食品が体内に取り込まれることになる。
共に学んだ学生生活が懐かしい。
学生時代にちょこっと勉強したアレルギー。
愛読している福岡伸一先生の本にアレルギーについて書かれた部分があった。
養老猛司先生の本にも同じ様なことが書かれていたので、引用させていただこうと思う。
まずは消化の生物学的意義について
食物としてのタンパク質は、その起源が牛や豚、鳥などの動物性タンパク質であるにせよ、大豆や小麦に含まれている植物性タンパクであるにせよ、それがもともと他の生物の一部であったことに変わりはない。そして、それらのタンパク質はその生物体内で個々に特有の機能を持っていた。タンパク質の機能は、アミノ酸配列によって決定される。つまり、アミノ酸配列は情報を担っている。しかし、他の生物のタンパク質情報は、捕食者にとってはノイズとして、自らの情報系に不必要な影響をもたらす。したがって、消化とは、食べ物を吸収しやすくするため細かくする、という機械的な作用よりも、もとの生物が持っていたタンパク質の情報をいったん解体して、自分の体内で自分に適合した形で情報を再構成するための出発点を作る、という重要な意味を持っているわけである。これが消化の生物学的意義である。
動物の消化システムは、非常に他種類の消化酵素を用意している。特にタンパク質の構造には最も多くの情報が含まれるので、これを速やかに解体するために、特異性の異なる消化酵素、つまり違う攻撃部位を持つタンパク質分解酵素が準備されている。
トリプシンは、リジンやアルギニンといった+電化を持ったアミノ酸を攻撃して分解の端緒を切る。キモトリプシンやエラスターゼといった酵素はタンパク分子の別の部位を切断する。ペプチダーゼと呼ばれる酵素は、切断された場所にとりついてアミノ酸を順番に切り取っていく。アミノ酸は消化管の細胞の特別な輸送システムによって吸収される。この時はじめて分子としての食品が体内に取り込まれることになる。
by kosuke-n
| 2010-04-03 00:44
| 分子・細胞生物学