2010年 05月 24日
クローン選択説 |
「ルリボシカミキリの青」を読んでいて、花粉症について書かれていた部分があった。
免疫の話である。
風邪をひいていたこともあり、免疫について少し勉強してみる。
ウイルスや細菌などの敵が侵入してくると、免疫システムの警戒警報が鳴る。
敵の形態はその表面のタンパク質の構造によって識別される。
そこでそのタンパク質に結合して敵を取り囲み無力化するための抗体が作り出される。
その敵である抗原となりうる物質の種類は、何万種類という数は少なくともあるだろう。
ここで問題となるのは、多様な抗原に対してどのように特異的な抗体を作るかである。
あらかじめ多様な抗体を持っているというモデルと抗原の侵入後にそれを認識できる抗体を新たに産生するというモデルが考えられた。
現在では前者のあらかじめ多様な抗体を持っているモデルが正しいと考えられ、これをクローン選択説という。
私たちの免疫系の中には百万通り以上の抗体があらかじめ用意されている。
さまざまな実験と推察から、少なくとも100億種類以上の抗体を作る能力を備えていないと、抗原の侵入に対処できないということがわかってきているらしい。
しかしどんなに多く見積もっても人のゲノムにコードされているのはせいぜい数万種類の遺伝子。
明らかに抗体の種類は多すぎる。
免疫学者のメルビン・コーンが「Generation of Diversity(多様性発現)のミステリー」と名付けたジレンマである。
この謎を解明したのが1987年にノーベル生理学医学賞を受賞した利根川進先生である。
免疫の話である。
風邪をひいていたこともあり、免疫について少し勉強してみる。
ウイルスや細菌などの敵が侵入してくると、免疫システムの警戒警報が鳴る。
敵の形態はその表面のタンパク質の構造によって識別される。
そこでそのタンパク質に結合して敵を取り囲み無力化するための抗体が作り出される。
その敵である抗原となりうる物質の種類は、何万種類という数は少なくともあるだろう。
ここで問題となるのは、多様な抗原に対してどのように特異的な抗体を作るかである。
あらかじめ多様な抗体を持っているというモデルと抗原の侵入後にそれを認識できる抗体を新たに産生するというモデルが考えられた。
現在では前者のあらかじめ多様な抗体を持っているモデルが正しいと考えられ、これをクローン選択説という。
私たちの免疫系の中には百万通り以上の抗体があらかじめ用意されている。
さまざまな実験と推察から、少なくとも100億種類以上の抗体を作る能力を備えていないと、抗原の侵入に対処できないということがわかってきているらしい。
しかしどんなに多く見積もっても人のゲノムにコードされているのはせいぜい数万種類の遺伝子。
明らかに抗体の種類は多すぎる。
免疫学者のメルビン・コーンが「Generation of Diversity(多様性発現)のミステリー」と名付けたジレンマである。
この謎を解明したのが1987年にノーベル生理学医学賞を受賞した利根川進先生である。
by kosuke-n
| 2010-05-24 23:27
| 分子・細胞生物学