2010年 06月 03日
理化学研究所の研究成果 |
免疫・アレルギー科学総合研究センターの免疫制御研究グループらの研究グループはマウスの成熟したリンパ球の中で抗がん効果を発揮するナチュラルキラーT(NKT)細胞からiPS細胞を作製し、 さらにそのiPS細胞から役に立つNKT細胞だけを大量に作り出すことに成功した。
メラノーマ(黒色腫)の移植で肝臓がんを発症したマウスに、がん細胞の認識能力を高めた樹状細胞を投与すると、NKT細胞が活性化し、がんが消失する。iPS細胞から作り出したNKT細胞を、生体内に存在するNKT細胞を取り除いたマウスに、この樹状細胞とともに投与すると、がんの転移や再発が抑えられることが分かった。 NKT細胞を戻さなかった場合には抗がん効果はなく、 iPS細胞から作ったNKT細胞が生体内に存在するNKT細胞と同等の抗がん効果を持つことが証明できた。研究グループは千葉大と連携して、NKT細胞の抗がん効果を活用したヒトの肺がん治療の臨床研究を進めており、今回のNKT細胞の大量作製技術を臨床研究の中で応用していくことを目指している。
iPS細胞は、人工的に作製した、生体内のどのような細胞にでも分化できる「多能性幹細胞」です。従来の技術では、皮膚などから作製したiPS細胞を用いていたが、このiPS細胞からリンパ球を作ると、いろいろな抗原に反応するリンパ球が多数できてしまう、という問題点があった。これは、リンパ球が細胞分化の過程で遺伝子の再構成を起こすためで、役に立つリンパ球だけを大量に作り出すことは困難だった。
この遺伝子の再構成はこの間勉強した、利根川先生の遺伝子の多様性の話である。
たまたま勉強したばかりの話だったので驚いた。
この問題を解決するために研究グループは、成熟したリンパ球からiPS細胞を作ることを計画し、抗がん効果を持つNKT細胞からiPS細胞を作製することにマウスで成功した。このiPS細胞は、NKT細胞から受け継いだ、すでに再構成を終えた遺伝子群を有している。従って、NKT細胞から作製したiPS細胞でリンパ球を作ると、すべての細胞にNKT細胞の遺伝子再構成が伝達されるので、産生してくるリンパ球はすべてNKT細胞になる。実際に、この方法でiPS細胞から分化誘導したNKT細胞が、強力な抗がん効果を発揮することも分かった。
このようなすばらしい研究をしている理研であるが、事業仕分けで一時話題になった。
蓮舫議員の発言「どうして世界2位ではだめなのか」
2位では何の意味もない研究の世界。
この発言にはとても悲しい気持ちになった。
そんな中でのすばらしい研究結果でとてもうれしかった。
メラノーマ(黒色腫)の移植で肝臓がんを発症したマウスに、がん細胞の認識能力を高めた樹状細胞を投与すると、NKT細胞が活性化し、がんが消失する。iPS細胞から作り出したNKT細胞を、生体内に存在するNKT細胞を取り除いたマウスに、この樹状細胞とともに投与すると、がんの転移や再発が抑えられることが分かった。 NKT細胞を戻さなかった場合には抗がん効果はなく、 iPS細胞から作ったNKT細胞が生体内に存在するNKT細胞と同等の抗がん効果を持つことが証明できた。研究グループは千葉大と連携して、NKT細胞の抗がん効果を活用したヒトの肺がん治療の臨床研究を進めており、今回のNKT細胞の大量作製技術を臨床研究の中で応用していくことを目指している。
iPS細胞は、人工的に作製した、生体内のどのような細胞にでも分化できる「多能性幹細胞」です。従来の技術では、皮膚などから作製したiPS細胞を用いていたが、このiPS細胞からリンパ球を作ると、いろいろな抗原に反応するリンパ球が多数できてしまう、という問題点があった。これは、リンパ球が細胞分化の過程で遺伝子の再構成を起こすためで、役に立つリンパ球だけを大量に作り出すことは困難だった。
この遺伝子の再構成はこの間勉強した、利根川先生の遺伝子の多様性の話である。
たまたま勉強したばかりの話だったので驚いた。
この問題を解決するために研究グループは、成熟したリンパ球からiPS細胞を作ることを計画し、抗がん効果を持つNKT細胞からiPS細胞を作製することにマウスで成功した。このiPS細胞は、NKT細胞から受け継いだ、すでに再構成を終えた遺伝子群を有している。従って、NKT細胞から作製したiPS細胞でリンパ球を作ると、すべての細胞にNKT細胞の遺伝子再構成が伝達されるので、産生してくるリンパ球はすべてNKT細胞になる。実際に、この方法でiPS細胞から分化誘導したNKT細胞が、強力な抗がん効果を発揮することも分かった。
このようなすばらしい研究をしている理研であるが、事業仕分けで一時話題になった。
蓮舫議員の発言「どうして世界2位ではだめなのか」
2位では何の意味もない研究の世界。
この発言にはとても悲しい気持ちになった。
そんな中でのすばらしい研究結果でとてもうれしかった。
by kosuke-n
| 2010-06-03 00:26