眼の紫外線フィルター |
リスの目の水晶体は黄色をおびているし、魚類、鳥類、亀などの光受容器の先端は色の付いた油滴のようになっていて、色を識別する役割も果たしているらしい。
人間を含む霊長類が進化させた独特の紫外線防止法には、紫外線をほぼ完全に吸収する黄色い色素がある。
この「黄斑色素」は中心窩全体を覆っている。
黄斑の色素を形成するのは、カロチノイドのルテインとゼアキサンチンである。
この2つのカロチノイドは、植物に多く含まれ、光によるダメージから植物を守っている。
黄斑色素は、外からの光をフィルターしているが、特に網膜内におけるフリーラジカルなどの有害分子を作る青色光から目を保護している。
しかし、人間の眼の最も効果的な紫外線フィルターは、水晶体そのものである。
私たちの水晶体は非常に効果的な紫外線フィルターで、日中に活動するという行動様式を反映しているが、水晶体を除去すると人の眼でも紫外線を感知できる。
人工レンズが発明される前は、手術で水晶体を除去した患者は紫外線の領域まで見えるようになった。
青はますます鮮やかに青く、あたったすべての光受容器を発火させる紫外線は青みがかった白い光に見えるのである。