ホルネル症候群Horner Syndrome |
眼瞼下垂を症状とするホルネル症候群について勉強する。
一側の眼瞼下垂、縮瞳および眼球陥没を、ホルネル症候群という。
しかし、眼球陥没はexophthalmometerで計測してもほとんど確認できず、むしろ眼瞼裂狭小による見かけ上のものとされる。
またこうした目の徴候の他に障害側の顔面に無干渉がみられる。
眼瞼下垂は上眼瞼板筋(Műller筋)の麻痺による。
下眼瞼にも同様な筋があるので、下眼瞼は上昇し、眼瞼裂縮小が出現する。
眼瞼下垂は軽度なことが多い。
本症候群は交感神経の障害で起こるが、交感神経の遠心路には3つのニューロンがあり、そのいずれが侵されても発症する。
第1ニューロン(中枢性下行ニューロン)は視床下部より毛様体脊髄中枢まで下行する。
この中枢は1,2胸髄が主で、上は第8頸髄、下は第3胸髄にも広がり、脊髄灰白質の中間外側核にある。
第1ニューロンは脳幹、頸髄障害で侵される。
第2ニューロンは脊髄の中枢から頸部交感神経節までである。
第3ニューロンは頸部交感神経節より末梢である。
眼瞼下垂に対しての処置として期待できるのは、頚部交感神経節へ適刺激を送ることができれば小さな変化も期待できるかもしれない。
頚部前面の異常な緊張を探し、その変化から眼瞼の運動にも変化が出ることを期待する。
しかし、何より難しいのは反射が亢進していること。
できるだけ優しいタッチで触れなければすぐに過緊張が起きるので、触り方動かし方に気をつけなければならない。